リネンコ日誌(21)冬の思い出
エモいタイトルつけてしまった
ご無沙汰しております。気づけば約一ヶ月以上ニュースレター配信がありませんでしたが、そんなもんだと心得てお付き合いくださる皆様、いつもありがとうございます。Blueskyフォロワーはご存じの通り、2月半ば頃からメール配信プラットフォームの移行を考えており、ますます筆が鈍ってしまいました。こちらは詳細が決まり次第また、可能なら3月中にはご報告いたします。
■1/10「ZINEフェス東京」ご来場御礼
去る1月10日(土)は「ZINEフェス東京」に参加。お運びくださった皆様、お心をお寄せくださった皆様、ありがとうございました。以下は当日Bluesky上で実況したものの書き直し総括。
●小規模だけど手応えがあった
「ZINEフェス」は毎回の正確な出展人数と来場者数を公表していないようだが(してくれ)、東京都立産業貿易センター台東館の2フロアを埋め尽くす数百のブースと、来場者とのじっくりした交流が、非常に印象深い出展体験だった。
朝10時の集合にやや遅刻して到着すると、毎回の恒例行事だという「全員参加型の会場設営」が、始まると同時にほとんど終了するところ。自ブースの設営を終えて11時台から出店登録手続き、12時の一般開場前に他のお店を見て回る。上下階あわせて15分くらいの短い買い物で万単位の散財をしてしまった。古(いにしえ)のマイナー沼オタクが「ちょうどいい」と感じる規模だけれど、慌ただしく会場全体を回ってみると想像以上にデカいし、頒布物もすごく多様だ。「まさかこんなイベントにあんな作家が来てるとは思わなかった」と驚くお客さんの声もよく聞いた。このアンバランスさが面白い。
ZINEフェスにはZINEフェス独特のカラーがあって、売れ筋も客層も、大展示場イベントとはまるで違う。この場での売れ筋をきちんと押さえたZINEが飛ぶように売れており、常連出展者たちもそこに合わせて工夫しているのが窺える。「文学フリマと同じことをしていても売れない」「次回参加はZINEフェス狙いの新刊を作るくらいで臨んでやるぞ」と、大変勉強になった。



●売りながら空気を読む
両隣のブースは写真旅行記とイラストレーター、双方ヴィジュアル系。間に挟まれた私の本は「うわー、ここは字だけなんだ、ストイックで徹底してますね!」などと言われ、両隣を訪問する客はウチだけ華麗に通り過ぎてゆく。もっと文芸系の島がよかった……とはいえ、どうも初参加だから「ニューヨーク生活」「スペイン旅行記」といった字面を拾われて「海外」の列に置かれたようだ。それもそう。
隣の方は英語のZINEも売っている。外国人来場者が続々と足を止めていくのでぼんやり数えていたら、ものすごく多い! 浅草という立地のためか、在住者風も観光客風も混ざっていて、日本語の活字本には目もくれず、画集やステッカーやキーホルダーなどのグッズにぽんぽん財布を開いている。私も過去に作った英語のZINEの残部を持ってくればよかった。家族連れ、というより、保護者同伴の子供も多かった気がする。なるほどこうした客層も、臨海副都心よりアクセスがよく安心して回れるだろう。
現場で存分に「ZINEフェス独特のノリ」を観察吸収しつつ、適宜ブースの陳列レイアウトを微調整してみる。開始直後はスベりたおしていた私のブースも、後半ぐいぐい売れ行きが伸びた。本当に些細なことだけど、工夫したらしただけ数字に跳ね返る、この「実演販売」の感じが病みつきになるんですよね、コレが楽しくて活動してるまである。まさか「なるほど、我がブースに足りないのはハンドメイド感!」と気づいて即席でこさえた手書きPOPが、あんなにアイキャッチとして効くとは……。


●印象深いお客さんたち
「あれ、もしかして普段ラジオ番組とかに出てる人ですか?」「この黄色い本、図書館で読みましたよ。え、書いた本人なの? マジで?」「ウェブで署名記事を読んだことがあるはずです、女の方だったんですね」「たしか友達がファンじゃないかと思うので今ちょっと呼んできます」といったお声がけも多かった。つまり「無料で読んだことはあるがお金を出してまで読んだことはない」ような層が「せっかくホンモノを見かけた記念に、初めて直に何か買う」をしてくれたわけで、とても嬉しい。
私のTwitterはピーク時3万人のフォロワーがいたけれど、著作や同人誌やイベントチケットが数万規模で即完売したことは一度もない。差分にあたる無課金勢は普段いったいどこに居るんだ、とずっと不思議に思っていた。ここにいた。出会い直せてよかった。昨秋の文学フリマ東京では、入場待機列にじっと並んでイの一番にブースに駆けつけて「久谷女子から追いかけてます」「Blueskyとニュースレター楽しみにしてます」と指名買いして差し入れまでくださるような、面構えが違うコア層(おまいらのことだよ!)の存在感が凄まじかったので、全然違う。
みんなデザイン意識が高く、「自装ですか?」もよく訊かれた。そのくせ全面箔押しの表紙について「ウワー、こんなのどうやって作るんです?」と質問責めにされたりもする。ただのどこにでもある同人誌印刷所の別料金オプションです。所変われば見慣れた仕様も変わるのか。
「購入特典」であるイベント名入りステッカーを「無料配布」と信じて疑わずに取っていこうとする人もいた。最初の人を「すみません、お買い上げの方に差し上げる用なので」と制止したら、ものすごく驚いた顔で平謝りされてしまい、その後も似たような事例が続き、「……でも記念品、欲しいですよね、わかります、持ってっちゃってください!」となし崩し的に方針転換。折り返しの14時半以降からは大きく「TAKE FREE」と書いて完全無料配布にした。
コミックマーケット寄りの即売会では近年「無料配布は逆効果(どんな薄いコピー本でも100円で売るべき)」みたいな風潮があるけど、こちらでは、何も買わなくてもカードやペーパーやフライヤーだけは取って持ち帰る層が根強いのだろう。「このステッカー、Instagramアカウントは刷ってないんですね?」ともよく訊かれた。「たくさんは買えないけど名前だけでも憶えて帰ろう」という好意的なライト層には、やっぱりショップカードのようなものがあるといいんだな。



規模感から算出して持ち込んだ在庫は多すぎて、売上は予測の半分程度だった。売れない売れないと嘆いていたけれど、無事に在庫がはけ、好きな本を買っても赤字にならず、閉場後の打ち上げでケチケチせずご当地浅草の美味いもん飲み食いできるくらいのことは達成したので、ヨシとします。
■1/12「代々木駅前の人生ご相談会」ご来場御礼
こちらは「口外禁止」のトークイベントなので詳細は書けませんが、お越しくださった方たちありがとうございました! いやぁ、濃い夜でしたね。我が家の速水真澄も久々の晴れ舞台で群がるおなごをとっかえひっかえ抱いては喜んでおりました。何を言っているのかわからねーと思うが我が家には速水真澄がいるんだよ。
https://x.com/okadaic/status/1096154499033563137?s=20



イスラエルと米国によるイランにおける大規模軍事作戦が展開された日に送るような内容のニュースレターではないのであるが、これまでもこれからも、もうずっと、世界はこの調子で進んでいくのだろう。ならば我々も、暴力と独裁を許さず、倫理道徳と国際法の遵守を訴え、互いに送り合える感謝の念を送り合い、明日への活力としてまいりましょう。どこに何を書き続けるかを考え続け、腹を決めたらまた新しいお便りを送ります。ところで、SUZURIのショップでこんなものも売り始めたので、よかったらどうぞ。


