リネンコ日誌(15)初めての通販&重版
『紙日記』二度目の増刷はたぶん無いです、お早めに!
2025-12-02
朝から袋詰め作業。自家通販はBOOTHの倉庫サービスを利用することに決め、『そのかねを』『紙日記』と「私はXに課金しない」ステッカーの在庫をどっさり倉庫へ送る。だいたい今週中くらいには反映されると思うので、気になる商品には「♡スキ!」などした上で、「入荷お知らせメールを受け取る」設定にしてお待ちください。まとめ買いすると送料割引でお得です。
▼岡田育_リネンコ@BOOTH
https://okadaic.booth.pm/
重たい二箱分を出荷して、ぐっと身軽になったような、パンツを履き忘れたような違和感とともに、改めて在庫を数え直す。私は商業刊行物でも同人誌でも何でも、作ったものは手元に多めに資料保管する習性がある。在庫の山からその「保管用」の冊数を抜いてみると、……あれ、『そのかねを』はさておき『紙日記』のほうって、もう、手売りできるほど残っていないんじゃないか……? と気づいてしまった。
それだけ文学フリマ東京41でこの「日記本」が人気だったということだ。残りの滞在期間中、この調子で関係者と会うたびに献本し、加えて書店卸売りの追加依頼など来ようものなら、1月のイベントを待たずに完売してしまう可能性もある。うーん、これは盛大に計算がズレたな。
そもそも『紙日記』は、とっとと売り切るつもりで作った本だ。最大の理由は、このお店屋さんゴッコが「海外在住の店主のワンオペ」という制約に縛られていること。私は一年のうち数ヶ月しか日本にいないから、国内在住の人々と同じようには効率よく在庫管理ができない。どれだけ便利な販売代行サービスがあろうとも、自分で送品できなければ、すべて塩漬けされてしまう。アシの早い日記本でそんな不良在庫を抱えたくない。
本気で自費出版の利益を追求する「商売」と捉えるならば、「最初から倍くらいの初版部数を積むべきだった」と後悔して反省するところである。しかし、逆に言えば今回は、敢えてそうしなかった、「約二ヶ月間という短い日本滞在中に、自分の手で頒布しきれるだけの刷り部数を、うまいこと狙い通りにぴったり当てたのだ」と解釈することもできる。近況報告にあたる『紙日記』は(長く売りたいエッセイ集『そのかねを』と違って)、そうした数字読みのファーストトライアルとして企画した本でもあった。実験成功、「商売」ならミスだけど「ゲーム」なら勝ち、といったところかな。うーん、どうかな。
2025-12-03
11月30日に納入した「本屋B&B」スペシャル仕様のサイン本、オンラインショップにも入荷したよー! とSNSで告知したら、飛んだ先の表示がすでに「SOLD OUT」になっていた。そんなことある!? ほんの数日前に山ほど置いてったのに!?!?
▼本屋B&B『そのかねを』サイン本
https://bookandbeer.theshop.jp/items/127121192▼本屋B&B『紙日記』サイン本
https://bookandbeer.theshop.jp/items/127121264
キツネにつままれた気分でそのようにつぶやいたら、少ししてから「今は在庫が復活していて、私は買えましたよ」という報告も耳にした。でもそう聞いて見に行くと「最後の一冊」と表示されたりもしている。そんなことある!? 気が気でない。
案の定、バイヤーさんから連絡が入り、アッという間に品薄になったので「2タイトルとも追加納入してほしい」とのことだった。来たよ、「書店卸売りの追加依頼」。つい昨日から悩み始めたことに、早々に結論が出た。この調子だと年内に売るものがなくなる。やっぱり『紙日記』も増刷しよう、よーし、乗るしかない、この「日記本」ブーム!! 重版しないと言ったな、あれは嘘だ!!
印刷製本をお願いしている大陽出版株式会社で、さっそく見積もりを取る。やはり利益率は下がる。こんなことなら初版部数を積むべきだったのよ。とはいえ、大陽出版の魅力は何といっても「早割」、グズグズしてるより12月8日入稿の12月21日納品で再版発注をかけたほうが安い。何なら昨日12月3日のうちに決断して入稿してたらもっと安かった。刷ってみて、余ったら余ったでそれから考えたほうが同じ悩みでも安くつく。日本の同人誌印刷は本当に安くつく。米国ではこうはいかんよ。
午後、1月12日(月祝)夜に都内某所で登壇するトークイベントの打ち合わせ。主催者と対面で話してのち、ゲスト枠で一緒に登壇する相手とも電話で話す。12月半ばには情報解禁されるはずなので、今しばらくお待ちください。現地へ来られそうな方はあらかじめ予定を空けておいていただけると嬉しい。会場は小さく、ほとんど内輪のオフ会みたいなアットホームなイベントになる予定。「配信いっさい無し」で「インターネットではつぶやけない話」をしながら「本の作り手と読み手が一緒に飲む」というような企画なので、来た人以外はおしゃべりの内容を知ることは実質不可能です。結局、最近はこういうイベントのほうが人気が高いのだろうな。
2025-12-04
朝一番で『紙日記』の再版発注をかける。部数は最小限。初版に引き続き、「約二ヶ月間という短い日本滞在中に、自分の手で頒布しきれるだけの増刷」を目指しつつ、まぁ、さすがにちょっとは余るだろう、という数。
奥付を改訂するほか、すでに誤植が二箇所見つかっているので修正、そして、遅ればせながら二刷からは、背表紙にタイトルを入れようかと思う。これは先の「文学フリマ」と「日記祭」で入手した同人誌ミニコミZINEの多くが、きちんと背表紙にタイトルを入れていたのを見たことによる反省点。いくら「極限までそっけない造本」がテーマとはいえ、今後、本屋B&Bさんのような書店に置かれることを考えると、棚挿しでも誰の本かわかるくらいの工夫は必要になるのだった。みんなちゃんとしてて偉いな。やはり足を運んで市場調査もしてから作ったほうがいいですね。
『紙日記』は、もし好評ならシリーズ化したいと思っている。とはいえ、毎年新しい日記を出せば出すほど、古い日記は(中身の面白さとはほとんど無関係に、単にタイムスタンプが古いというだけで)どんどん読まれなくなっていくものだ。だから、紙の日記本の賞味期限はせいぜい365日程度として、以後はダウンロード販売などを展開して「紙の日記だけど電子書籍で読め!!」と本末転倒の滑稽なロングテール商法をやるのが、当初の企画コンセプトだった。でもまぁ、電子化は米国に戻ってからでものんびり手配できるし、何なら将来、数年分の日記をまとめた千ページくらいの鈍器再録本として編み直して「ね? これは電子書籍で買えてよかったでしょ?」とやるのも面白いかと考えている。というわけで、あいにく電子化はまだまだ未定ですよ。今のところは紙で買え!!
いずれにせよ、ちょっとチキンな増刷をかけてみたところで、11月23日から売り始めた『紙日記』というタイトルが、12月4日の時点ですでに「残部僅少」状態であることに変わりはない。(日記をつけ始めてから365日後にあたる)2026年7月末頃までには、きれいに売り切っていたい、というオリジナルのコンセプトにも変更はない。
だから今はとにかく、1月半ばまでの日本滞在中に「紙の本を手売りする」ことに集中する。読み手としても、「どうしても『紙日記』が欲しい、この日記を紙で読みたい」と思ったら、今後のイベントでの対面販売には期待せず、本屋B&Bさん限定サイン本か、送料おまとめサービスのあるBOOTH通販で、早め早めに入手していただきたい。と、そういう宣伝を兼ねた制作日誌です。買ったものを持ってイベントに会いに来ていただけたら、それはそれでサインや為書きはしますので。
▼岡田育_リネンコ@BOOTH
https://okadaic.booth.pm/
▼本屋B&B『そのかねを』サイン本
https://bookandbeer.theshop.jp/items/127121192▼本屋B&B『紙日記』サイン本
https://bookandbeer.theshop.jp/items/127121264
『そのかねを』のほうは最初から多めに刷ってあるし、切れたところで順次重版もかけていくつもりなので、今すぐ在庫が枯れることはないはず。だけれども、こちらにしたって「来年1月下旬から早くとも来秋にかけては、店主不在につき売切御免」となることはご承知おきください。そう、ここは一年のうち約二ヶ月とかしか開かない、行商人の店なのですよ。あるいは音楽でいうと、活動休止状態のほうが長い期間限定ユニットみたいなやつです。だんだん全容が見えてきましたかね。




